日本初となる『CLT工法での木造カーショールーム』建設

【許家源記者・総合レポート】 

株式会社ハヤシ工務店(本社:千葉県旭市、代表取締役社長:林 和義、以下「ハヤシ工務店」)は、千葉県匝瑳市において、日本初となる国産木材のみを使用したCLT工法での木造カーショールーム(平家建て、総敷地面積:5560.62㎡、総延床面積:1061.67㎡)を建設致します。

1.経緯

 2021年10月1日より「脱炭素社会の実現に資するための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行され、木造による中大規模建築が注目を集めております。

SDGs(継続可能な開発目標)への貢献という視点からも、座礁資産といわれるセメントや鉄ではなく、建材(マテリアル)として木材を使用することでサスティナブルな社会の実現に大きく寄与できる取り組みです。

 建物への木材の利用は、施主となる事業者にとっても、快適な空間の形成や生産性の向上、建物への愛着心の向上に加えSDGsへの貢献、ESG投資の誘引、社会的評価の向上といった経済的な効果が期待できます。一部の事業者では、店舗やオフィス、中高層ビルの木造化・木質化に取り組む動きがでてきておりますが、まだ広く一般的な取組には至っていないのが現状です。(林野庁HP記事参照)

そうした中、住宅以外へ建材としての木材利用を模索し、非住宅建築を行ってきたハヤシ工務店と、ショールームの建て替えを検討していた、株式会社ホンダカーズ東総 Honda Cars事業部(本社:千葉県旭市、代表取締役:加瀬 一幸)の意向が合致し、令和5年度林野庁補助事業 CLT活用建築物等実証事業の採択を受け、日本初となるCLT工法による木造カーショールームを建築するに至りました。

2.CLT工法採用の背景

CLT とはCross Laminated Timber の略称で、ひき板を並べた層を、縦横交互に重ねて接着した大判パネル材を使った工法です。CLT パネルは耐火・耐震性にも優れて、コンクリ

ート並みの強さを実現しており、鉄骨・RC造に加え新しい工法として世界的に注目されています。CLT 建築は一般的な木造住宅に比べ、設計段階から組み立てまで、高い技術が必要とされます。ハヤシ工務店では社内の建築士と高度な技術を持つ自社大工で対応しております。

また、今回の建物で使用するのはLC-core 構法という構法で、一般的なCLT 建築に比べ、構造体におけるCLT の使用量が約半分になります。よってコスト面でもかなりのメリットが見込めます。

このLC-core 構法での建築については、日本CLT 技術研究所への加盟が必要であり、独自のノウハウや建築技術が求められることから、現在では限られた企業での対応となっています。※日本CLT 技術研究所調べ

その他にも、CLT 建築では以下のようなメリットを提供できます。

<CLT 建築のメリット>

・明るく開放感のあるデザイン

・自然を感じられる木質空間

・安心安全の空間

・SDGs の推進

・地域循環型社会の実現

・解体時のコスト減と木材の再利用を実現

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